日本人優遇とその裏
今のアパートもありえないほどの掘り出し物件かつwaiting listの7人目だったらしいんだけど、後に分かったところによると大家が日本贔屓かつテック産業大好きで、僕のプロフィールをみてwait list一番上に引き上げてくれたらしい。その日のうちに契約した。先人が築いてくれた信頼に感謝したいね😘
— しろやま (@fushiroyama) 2021年9月12日
こういうのとか
ドイツから帰国する時にマンションを引き払った際、大家さんから『交代の社員が来るんでしょ?紹介してよ』と。
— 海外 浩平|KaiGai Kohei🌻 (@kkaigai) 2021年9月15日
どうやら日本人は
・金払いが良い、遅れない
・部屋を綺麗に使う(靴を脱ぐので)
という事でwelcome属性なんだそうな。
そういう無形の資産はまぁ、大切にしていきたい。 https://t.co/pTkhuck2bU
こういうのは日本語圏のツイッターエンジニア界隈では概ねいい話*1として受容されているようだ。
しかし、こういった日本人への優遇への裏側には(相対的にしろ)そのほかの人々への冷遇が存在している。
そして、この取り扱いの差は「日本人は金払いが良い」といった先入観に基づいている*2。
衣食住とも言われるとおり、住居は人間の生活において重要なファクターの一つである。
居住の自由は広く認められている人権の一つであり*3、また通勤や教育へのアクセス(学区)、その他公共サービスなど幅広い形で生活に関わっている。
それにもかかわらず、上に挙げたような国籍・人種に基づく先入観によって生じる取り扱いの差は不当であり、差別の一例であると私は考える。
さらに、たとえ「日本人は金払いが良い」といった先入観が正しかったとしても、やはりこの取り扱いの差は統計的差別としての問題を含んでいるだろう。
海外だけでなく、日本でも住居の差別は生じている。
例えば、2017年に発表された外国人住民調査では、住居を5年以内に探したことのある外国人のうち約4割の方が「外国人であることを理由に入居を断られ」たり、「日本人の保証人がいないことを理由に入居を断られ」たりしたことがあると述べている。
また、これらの人々の中には「日本人と同程度に会話できる」にもかかわらず断られている人も含まれており、日本に在留する外国人に対する差別が起きているのは間違いない。
もちろん、先入観に基づく判断が常に悪いというわけではない。
例えば、初めて会った人が「金」と名乗ったとき、「韓国人なのかな」「韓国人であるなら韓国語を話せるだろう」といった先入観は多くのケースで正しく、そこから「アニョハセヨ」と挨拶するのは良い歓迎かもしれない。
けれども、大坂なおみさんのような例外は存在している。
また、アメリカやヨーロッパにおけるアジア人に対する差別の文脈を考慮したならば、ツイートの例はそこまで悪いわけではないのかもしれない*4。
けれども、これらの日本人優遇は差別的取り扱いと密接に繋がっており、あまり無邪気に喜んでほしくないと思うのだ。