覚書 『大切なことは(実は)ギャンブルが教えてくれる』

objsbjvism.wordpress.com

些末なことから大きなことへと並べている

  • 数式が微妙に雑で不安になる(簡単のためにやってるんだろうが・・・)
  • 人間ってベイズ推論してる訳ではないので事前分布→経験→事後分布という枠組みで話すのは不正確
    • 例えば一般化して「人間は信念を経験を通じて更新するのである」と言ったら自明な話だよね
    • そしてこの枠組みでも「あらかじめ良い信念を持っていること」などの言明はできるのである
  • 人間の信念の事前分布として宗教を持ち出すのはどうなんだろう?
    • 強い根拠は見いだせなかった
    • データが無い(出してない)ので言いたい放題である
    • 宗教のような文化的な要因以外にも,政治的な要因や生物学的な要因も考えられる.
    • 例えば,遺伝子とか
      • これは別に人種ごとの遺伝子プールによって推論能力に差が生じると主張しているわけではない(そうであるかもしれないが)
      • 東大とオックスフォードの入学試験(+入学後の退学)によるふるい落としによって各大学の学生の遺伝子プールには偏りが生じているかもしれない
      • 例えば,オックスフォードの方がより家庭が豊かであることを要求している可能性がある(AO入試?・高い授業料?)
      • 豊かな家庭では遺伝的に成功しやすい特性を持ちやすいらしいので,それが影響しているのかもしれない
  • 推論システムを演繹/帰納の2つに分けて演繹の重要性を主張しているけど,本当にそうなのだろうか
    • 科学哲学では,人間の推論システムを演繹(deduction)/帰納(induction)/仮説構築(abduction)の3つに分類している
    • abductionとは,得られた証拠からそれを説明する最もあり得そうな仮説を推論する過程である
      • 例えば,探偵が現場の証拠から犯人とトリックを当てるような推論である
    • 僕はabductionの重要性を主張したい
    • 現象からそれを表すモデルを組むのもabductionである
      • 例えば,「国家の投資方法の選択は『複利によるリターン』の最大化をするべきである」など
    • 日本の官僚(≒東大卒業生)もdeduction能力は別に低くないと思うんだよね
      • 「計算能力だけ見れば東大の方がはるかに上手かもしれない」
    • なので,手持ちの材料から演繹する(deduce)能力が不足しているのではなく,現実に対して妥当なモデル構築をすること(abduction)が上手くいってないのではと思えるのだ
    • モデルが歪んでいたら結論も間違っているのである
    • ま,僕もデータは無いのでただの放言なんだけどね

abductionについての資料
http://www.umds.ac.jp/kiyou/r/R24-1/115-130.pdf

上の資料は
interdisciplinary.hateblo.jp
でリンクされているのを見つけた

リズと青い鳥

今回はフェイクではなく,ちゃんと見ました.



鎧塚みぞれに追いかけられ続けるの結構しんどいと思う.
自分も口数は少ないほうでコミュニケーションコストを相手に押し付けがちなため.


剣崎と鎧塚の名前の呼ばれ方の話.
先生が鎧塚に「けんざ・・・鎧塚」みたいに呼び掛けるシーンなかったっけ?
あと剣崎が鎧塚に喋る際「鎧」まで言ってやめるところがあった気がする.
ここら辺の意味が分かってない.

鎧塚みぞれは良く前髪を撫でているのだが,どういう意図があってそのシーンを入れているのか良く分からなかった.
ありがちなのは「言いたいことがあるが言い出せない」だとは思うんだが,それに合致しないシーンが多いよなあと思った.

ガンガン季節飛んでる演出は面白かった.

映画『レディ・プレイヤー1』は面白いか?



映画見てない人は今のうちにブラウザバック

こんな感じのフェイント挟みながら見ました.

ぼくには『レディ・プレイヤー1』の面白さを語る資格はない.
何故なら,ぼくはスティーブン・スピルバーグの打ち出すメッセージがどうしても受け入れられなかったからだ.
イデオロギーによって作品の価値が左右されるのは良くない*1

良かったところ

  • 「おれはガンダムでいく」
  • 爆弾で全員消えたところ.ああいうのゾクゾクする.5分後にはコイン狙いで火事場泥棒がたくさん集まってそうで良い.
  • 敵のおっさんが割とノリノリとメカゴジラに乗ってるところ
  • 敵のドクロが格言で締めたがるところ
  • 溶鉱炉(火山)

受け付けなかったところ

  • 物質世界だけがリアルだというメッセージ

無理

主人公チームが物質世界で会った際に本名(物質世界の名前)をすぐ教え合ってたのが違和感ある.
別に物質世界でもハンネで呼び合わない・・・?自分がそういうコミュニティに属しているのでそこでまず冷めてしまった.
そして最後のアレですよ.えー・・・・そもそも君たちOASISで会ってるわけじゃん.
みんなアメリカ住みだから良かったけど大陸レベルで離れてたらそもそもリアルで集まるの大変じゃん...

確かに,物質世界の方が圧倒的に解像度が高いという現状はある.
にじさんじの月ノ美兎委員長とかは清楚なガワでは隠せないほどの,濃密な「魂」,それも物質世界由来の魂がウケた秘訣だろう.

楓と美兎
この動画はニコニコ超会議の「YouTuBar」の日の夜にやってた放送なんですが,月ノ美兎さんと樋口楓さんが隣に並んで話してるんですよ!隣に!
ゼロ時間でテンポよく進む会話,特に16分24秒からの会話はヤバい.会話するとき目を見る見ないの話を繰り広げるんですわ.これが物質世界のリアル・・・頭掻いてる・・・

書くの飽きた.

物述有栖は完璧

  • 声が良い
  • センスが尖ってて良い(夏色ハイスルク)
  • とにかくいい

上に挙げた動画は親フラで一時的にマイクを切ってる.これも物質世界によるリアリティだ.

でも,本当は物述有栖は六畳間一人暮らしで全部演技なのかもしれない.
だって,物述有栖は完璧すぎるから…
そうだとしたら,物述有栖が醸し出すこの存在感は何?それは,虚構であってもリアルであるのだ.

上手い飯は物質世界でしか食えないかもしれない*2
でも,物述有栖に会えるのはインターネットだけなのだ.

TODO:
映画代乞食をする(大学生)(5月31日)
medium.com

*1:これは微妙で,『帰ってきたヒトラー』のように指向性も含めて評価されるべき作品はあるだろう.でも,イデオロギーとは離れた面白さもあるはずで,政治性が合わないからといってそこに目が向かなくなってしまうのはいけない.

*2:2045年には味覚ハックできててもおかしくはないけどね

2017年

1月

アイコンが蟹になった
課題でHaskellを書いていた
Hindley-Milnerを書いていたらしい.まだバグ無くUnificationを実装できたことが無い
成人式で精神が崩壊する

2月



このときから準備をしていけば・・・

「Dr. レイテンシーのなぜなに?相対性精神学」で量子力学警察をする.

けものフレンズ

3月

けものフレンズ
賭けグルイ6巻が百合情報を手に入れたので全巻揃える
自作MLをガリガリ書いていたがやはり型推論が上手くできず死んでいる

4月


今年前半はずっと進路悩んでいる気がする.弊学科に理論よりの計算機科学やる人がいないのがいけないんじゃ

5月


セキュキャン無限に落ちる

Ponyに出会う.すくすく育って欲しい
留学ビザが出る


なんも分からん


直観です

6月

確率の哲学ウダウダこねくり回していたが『確率の哲学理論』を読んだらスッと理解がクリアになったので本職ってすげえなって



人生概ね幸せかなあ・・・まあそうかも


バークレー


CS61A・CS61BLの充実っぷりすごかった

バークレーにまあまあ好感情

7月

pandaman64.hatenablog.jp


簡単な授業で無双することにむなしさを感じ始める.


これすき


行けませんでした.

日本のオタクだらけプレリと違ってバークレーのMagicプレリは年齢層が広かった

アメリカ式食生活に適応し始めピザと輪切りオリーブとトマトを無限に摂取していた


8月

プリンセス・プリンシパル

アメリカではプリンセス・プリンシパルが視聴できなかったので二次創作百合ツイートばかりみて想像を膨らませていたのだが,帰国後追っかけたら公式は二次の遥か上を叩きつけてきて最高



こういうところ接近しても突撃していけないの(突撃できる準備・アポ取りをしていかないの)悲しい.チャンスを無駄にしている感高い

正直バークレー留学しても特に自分が変わったという気持ちは無い...まあアメリカでも変わらずやっていけるぞということでしょうか
あとバークレーの方がリア充してたな

9月

プリンセス・プリンシパル

Twitterディスコミュニケーションがあった

Prologを書いていたがUnificationが正しく書けない

10月


購入者の皆さんありがとうございます!完成版は10年スパンでお待ちください!!!!!!

11月

C&C賞受賞記念講演でAhoの後ろ30cmぐらいにいた


12月

来年の進路が決まりました
再来年からどうするかはわかりません.量子プログラミングやれるところ行きたい

2018年

なんかこう行動のポテンシャルはあるものの仕事関数を抜けられないせいでチャンスをふいにしてしまっていることが多くてつらい.
最終的には0か1かなので思い切って飛び出していきたい
ほぼ毎日Twitchに4-5時間溶かしているのヤバいと思うので生産的な活動をしたい
Unificationを正しく書きたい

本の完成版は必ずやるので待っていて欲しい・・・・

幸運の黒い白鳥を探そう 『ブラック・スワン』

本 Advent Calendarの3日目の記事です.
adventar.org

今日は『ブラック・スワン』上下巻を紹介します.

この人*1は「経済学者」が大嫌いなんだなあというのがビシビシと伝わってくる本です.

最初に,人間がいかに誤った説明をしてしまうかを示していきます.
人は事象が発生した後に説明を後付けしがちであり,その説明も分かりやすい・見えやすいものに引きずられてしまいます.
そのように間違ったモデルを構築し,それで現実が説明できたと安心してしまうのが人間なのです.

この問題が大きく関わってくるのが経済学の領域です.
富には更に富が集まってくるものです.このような性質を持つものをscalable*2と言います.
scalableな世界では勝者が成果を総取りしていきます.
その結果生じる分布は正規分布*3から外れてしまい,特に分散*4が発散してしまいます.
このような状態をNNTはワイルドと言っています.
ワイルドな世界で「経済学者」が良く使う定理*5が力を発揮できません.
しかし,「経済学者」はそのような定理を使って金融商品や経済のモデル化・予測をしているのです.
その結果生じるのが題名にも取り上げられる「黒い白鳥」,すなわちモデルから逸脱した現象です.

黒い白鳥は破滅的な現象を引き起こすこともあります.
例えば,2008年のリーマンショックは黒い白鳥の例に挙げられるでしょう.
確かに思われた金融市場は,あっけなく崩壊し世界不況を引き起こしてしまいました.
モデル化がより詳細になればなるほど,モデルの構築時に覆い隠してしまった不確実性,黒い白鳥はどんどん大きくなってしまいます.
破滅的な崩落は近年になるにつれてより現実的なものになっているのです.

しかし,黒い白鳥は悪いことばかりではありません.
世界がscalableであることは,誰もが頂点に立つチャンスを得ることができるのです.
世界の頂点は一部によって占められていますが,ひとたび良い黒い白鳥が裾に止まると,その顔触れは10年ぐらいで変わってしまうのです.

そのような世界では,良い黒い白鳥を得るチャンスに触れ続けることが大切だとNNTは説きます.
これは投資だけでなく,人生を生きていく上でも当てはまることでしょう.
やっていくぞ.

*1:ナシム・ニコラス・ターレブ,以下NNT

*2:日本語訳で拡張可能.IT系だとスケーラブルとよく言うね

*3:原文だとベル型カーブ

*4:NNTが大嫌いな言葉

*5:中心極限定理とか

業を積み上げ百合を組め 『総合タワーリシチ』

adventar.org
本 Advent Calendar 2日目の記事です.

最近『どうぶつタワーバトル』が流行していますね.
play.google.com
sasatanwwwww.hatenablog.com
hagyou.hateblo.jp
シンプルな操作性とは裏腹の高度な駆け引きが大量の廃人を生み出し,社会現象になろうとしています.
ぼくはNexus 5Xが文鎮化したのでプレイできないんですけど.

そんなときに心を癒してくれるのがこれ!『総合タワーリシチ』!『どうぶつタワーバトル』と大体同じ*1!!!!

二巻並べると顔が良い!!!!!!

感情が強い女が女とやっていく話です.
全体的に感情がデカい.
デカい感情に当てられて一週間ぐらい百合が厳しくなった.
今ではもう最高です.

*1:タワーリシチはロシア語の「同志」を英語読みしたようなのですが. タワーリシチ - Wikipedia

『オートマトン 言語理論 計算論 Ⅰ』

この記事は本 Advent Calendarの1日目の記事です.(1日目とは?)
adventar.org

本日の本は『オートマトン 言語理論 計算論 Ⅰ』.

オートマトン言語理論 計算論〈1〉 (Information & Computing)

オートマトン言語理論 計算論〈1〉 (Information & Computing)

J. Hopcroft, R. Motwani, J. Ullmanの3人による共著の日本語版です.
このうち,HopcroftとUllmanは昨日C&C受賞記念講演をした方です.
C&C受賞記念講演については講演メモを書いたのでそちらもどうぞ:
pandaman64.hatenablog.jp
pandaman64.hatenablog.jp
pandaman64.hatenablog.jp

ⅠとⅡの二巻構成で,Ⅰでは正規表現およびDFA*1,文脈自由文法およびPDA*2を扱います.反復補題もあるよ.
今学期の講義でオートマトンをやっているのでその教科書ですね.
Ⅱは持ってないので良く分からないのですが,決定性問題を扱い文脈自由文法のいくつかの性質が決定不能であることを示すようです.
DFAPDAチューリングマシンと扱う対象を広げていってるんですかね.

この本は帰納法の原理から初めて一歩一歩解説を進めていきます.
とはいえ,証明も形式的すぎずすいすい読み進めていくことができます.
例題や章末の演習問題・オートマトンの応用例が豊富なのも嬉しいですね*3
HopcroftやUllmanが計算機科学の教育でC&C賞を受賞したのも納得という感じの素晴らしい古典です.

今ならオートマトン力も付いているだろうし
www.jstage.jst.go.jp
にも再挑戦してみようかな・・・!

*1:Deterministic Finite Automaton

*2:PushDown Automaton

*3:XMLが出てきたのには時代性を感じますが・・・